ひがし北海道で出会う自然の仲間たち
(#3 阿寒湖のマリモ編)

大自然に囲まれたひがし北海道は、観光地でありながら野生生物や珍しい植物、菌類と出会う機会がたくさんあります。
今回もそんな道東地域で出会うことができる自然のなかまたちをご紹介していきます。

▼前回までの記事
ひがし北海道で出会う自然の仲間たち (#1 エゾシカ編)
https://www.kamuylumina.jp/sp/enjoy/enjoy-4278/

ひがし北海道で出会う自然の仲間たち (#2 野鳥編)
https://www.kamuylumina.jp/sp/enjoy/enjoy-4378/

今回ご紹介するのは阿寒湖の湖に生息する『阿寒湖のマリモ』
阿寒湖といえばマリモと想像する人も多いかもしれませんが、一体その生態とはどんなものなのでしょうか？

マリモっていったいナニモノ？

マリモは植物です。
マリモは水中で色んな形で存在しています。
糸状体のマリモが個体本来の姿で、それらがくっついたり、離れたりして、形を変えながら湖の中で暮らしています。
阿寒湖の中でも場所によってみられるマリモが変わってきます。

マリモは世界各地に存在しています。しかしそれらは丸くないマリモたちです。
かつてアイスランドのミーヴァトン湖でも丸いマリモが見られたそうですが、現在では小石サイズの小さなもののみ観測されるそうです。
「阿寒湖のマリモ」は大きな集合体になることが他の地域のマリモと違うトクベツな点です。

人の手で守られてきた阿寒湖のマリモ

マリモはかつて森林伐採や、観光地化による生活排水の流入によって湖の環境悪化、盗み取りなど･･･何度も絶滅の危機に直面してきました。
チュウルイ湾のマリモも数を減らしていましたが、『阿寒湖のマリモ』は1921年に国の天然記念物として指定され、1952年には特別天然記念物に指定され、国からも保護される植物となりました。

マリモを守る為には阿寒湖を含む周辺の自然環境を守っていくことが必要不可欠となっており、町一丸となって守っていく必要があります。
悪天候などで岸に打ち上げられたマリモを、町民たちで湖に帰す取り組みもあります。
科学的な研究を進めると共に地域の人々や関係機関が協力できる体制づくりが進められています。

まりも祭り

そんな人々のマリモに対する思いが見えてくる「まりも祭り」が毎年10月に開催されます。
まりも祭りの発祥は昭和25年、マリモが危機に瀕していたときでした。
盗採や密売が横行したり、水力発電の為にたくさんの水を放水したことにより阿寒湖の水位が低下し、マリモが空気中に出てきてしまうように･･･。そんなときに、「阿寒湖のマリモを湖に返そう、マリモを守ろう」とマリモ祭りははじまりました。

まりも祭りではマリモを通じて阿寒湖の豊かな自然に感謝と畏敬の念を示すべく、アイヌのひとびとの伝統の儀式で執り行われます。
コロナ禍で縮小開催が続いていましたが、今年は例年通りの開催となるそうですので、気になる方は公式HPをご確認ください。

■まりも祭り
日程：2023年10月8日(日)～10日(火)
詳細は公式HPを要チェック！
https://ja.kushiro-lakeakan.com/marimomaturi/

マリモを見るならココ！

■阿寒湖畔エコミュージアムセンター
住所
〒085-0467 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉１丁目１−１
営業時間
9:00~17:00(季節による変動あり)
※休館日：毎週火曜日(火曜日が祝日の場合翌水曜日)

■マリモ展示観察センター
住所
〒085-0220 北海道釧路市阿寒町舌辛 阿寒湖 チュウルイ島
営業時間
観光遊覧船の運航状況による

https://www.akankisen.com/exBoat1.html

このようにたくさんの人たちの手と努力があって守られてきた阿寒湖のマリモ。
その背景を知ると、より一層愛おしく見えてくるかもしれませんね。
阿寒湖に訪れた際にはぜひ大きくてまあるいマリモを見てみてくださいね！